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コメ価格上昇 5キロ2000円迫る 全国スーパー 高温被害、訪日客需要


コメ価格上昇 5キロ2000円迫る 全国スーパー 高温被害、訪日客需要 全国スーパーのコメ平均価格の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 全国のスーパーで今月上旬に販売したコメ5キロの平均価格が2千円に迫る高水準になり、2年前から200円近く値上がりしたことが26日、分かった。関係者の間では、昨夏の高温被害で2023年産米の流通量が減ったのに加え、インバウンド(訪日客)の増加で需要が伸びて需給が逼迫(ひっぱく)したとの見方が多い。今後、24年産米の生産次第では値上がり傾向が続く恐れもある。
 販売時点情報管理(POS)データを分析している企業「True Data(トゥルーデータ)」(東京)が、過去2年間を対象に1週間ごとの価格を調べた。店頭の主な商品である5キロ入りは、22年6月から、おおむね1700~1800円台だったが、今年4月以降は、ほぼ1900円台で推移した。
 今月3~9日は1978円と過去2年間で最高水準となり、22年6月13~19日の1787円から191円上昇した。
 コメ卸大手の関係者は「23年末ごろからコメの需給が引き締まり、供給が継続できない事例も見られる」と説明する。需給次第では店頭価格の値上がりが続くとの見方を示している。
 コメの値上がりに直面する飲食店も対応を急ぐ。吉野家ホールディングスは今春、牛丼チェーンで使用するご飯を国産のみから外国産とのブレンドに切り替えた。「国産の価格高騰の影響もある」(広報)という。
 一方、コメ卸業者でつくる全国米穀販売事業共済協同組合は、一部のスーパーや飲食店でコメの不足感が出ているが「(全体的な量は)足りており、有事ではない」と強調する。坂本哲志農相は今月14日の記者会見で「主食用米は、販売店で主要銘柄の欠品を起こしてはいない。普段通り買い求めてほしい」と訴えている。