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【一問一答】沖縄の成長分野は? 公庫の新垣新理事長に聞く


【一問一答】沖縄の成長分野は? 公庫の新垣新理事長に聞く 就任会見で抱負を語る沖縄振興開発金融公庫の新垣尚之理事長=2日、那覇市おもろまちの同公庫(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄振興開発金融公庫の今後の役割や県経済の先行きなどについて新垣尚之理事長の会見での主なやりとりは次の通り。

 ―県経済の課題は。
 「県経済の柱である観光、建設を中心とする需要が急速に回復している。これにけん引される形で宿泊飲食のみならず、サービス業、運輸、卸、小売り、食品、製造も含め勢いを増している。課題として供給側で人材確保難がある。原材料などのコスト高など、従来とは異なる課題がある。業種や事業規模で違うがコロナ禍で増加した債務負担もあり、回復は一様ではない」

 ―公庫の役割は。
 「沖縄は景況感が高い状況が続き、需要の拡大に対する事業者の期待値は高い。この需要拡大に供給側の構築が間に合わないと収益機会の逸失につながる。経営改善、生産性向上のための提案や独自制度の支援、情報提供と合わせ、実情に応じた支援に取り組んでいきたい」

 ―沖縄の成長分野は。
 「吸水性ポリマーを開発し、国内外で販売するOIST発のベンチャー企業に協調出資している。そういった環境分野は今後もニーズが出てくる。研究機関との連携も今後重要になる」

 「観光の際の行き先として環境に配慮した地域が選ばれる傾向がある。持続性ある観光地として沖縄が残り続けるには必要なことだ。脱炭素の取り組みも必要で、公庫でも独自制度を設けて大企業から中小、小規模事業者まで活用できるよう制度拡充を行っている」

 ―行政と車の両輪で沖縄振興に取り組むとの発言があった。
 「民間資金やノウハウを活用したPFIなどが市町村に広がっている。公庫は41市町村中28自治体と助言業務協定を結んでおり、今後も取り組んでいく。県民所得向上に政策金融としてできるところから進めたい」