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沖縄公庫とうむさんラボが支援 ウォール社に2800万円 ビニールハウス廃棄資源を家具や小物に


沖縄公庫とうむさんラボが支援 ウォール社に2800万円 ビニールハウス廃棄資源を家具や小物に 協調支援を受けたWALLTECHの長谷場咲可社長(左から2人目)ら=3日、那覇市の沖縄振興開発金融公庫
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)と沖縄の社会課題解決を目的にした民間ファンドうむさんラボ(比屋根隆代表、浦添市)は3日、独自技術を用い、廃棄資源から繊維パネルとアート壁を製作するWALLTECH(ウォールテック、沖縄市、長谷場咲可社長)に計2800万円の協調支援を実施したと発表した。長谷場社長は「県内の方々に応援していただける事業にしっかりと組み立てていきたい」と抱負を述べた。

 WALLTECHはビニールハウスなどで使用された廃棄農業フィルムや混紡繊維などの廃棄衣類を素材として回収し、独自技術の熱プレスで繊維パネルなどを作成する。繊維パネルは小物や家具などへと加工し、アップサイクルを図る。将来的に年間で廃棄農業フィルム500トン、廃棄衣服500トンの計1千トンを繊維パネルに加工。大手自動車メーカーや大手家具メーカーのほか、アーティストとも連携し、多様な商品開発や作品制作につなげていく考えだ。

 長谷場社長はアパレル業界で廃棄衣服などのアップサイクルが浸透しつつある状況を説明し、「業界との相乗効果に期待している。アートとテクノロジーの両輪で商品開発に取り組みたい」と述べた。

 協調支援は公庫が2千万円の融資を行い、うむさんラボは沖縄の社会課題解決を目的としたインパクト投資を行うファンド「カリーインパクト&イノベーションファンド」の1号案件として800万円を出資した。 

(当間詩朗)