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アプリで北部の健康増進 セルラーと名桜大協定


アプリで北部の健康増進 セルラーと名桜大協定 包括協定を締結した名桜大学の砂川昌範学長(左)と沖縄セルラー電話の宮倉康彰社長=2日、那覇市の沖縄セルラー電話本社
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 沖縄セルラー電話(那覇市、宮倉康彰社長)と名桜大学(名護市、砂川昌範学長)は2日、やんばる地域の健康長寿実現を目的とした産学連携に関する包括協定を締結した。名桜大が取り組む「やんばる版プロジェクト検診」で得られた健康ビッグデータをセルラーが運営する健康アプリに活用するなどし、北部住民に健康リスク判定やアドバイスができるシステムの開発を目指す。

 沖縄セルラーは本年度中にも健康アプリ「JOTOホームドクター」に脂肪肝リスクの判定機能を追加する予定。疾患予兆の精度をより高め、将来的に県民に広く提供するサービスとして構築を図っていく。

 名桜大は2018年度から北部12市町村の住民を対象にプロジェクトを実施してきた。全血DNAや腹部エコー、頸(けい)動脈エコーなど健診情報を全国他自治体の住民から得られた健診情報と合わせてビッグデータ化。弘前大、京都大などの解析機関とも連携し、疾患予兆の発見や予防法の開発に取り組んできた。

 住民に提供する予測モデルを搭載したアプリ開発の課題については、沖縄セルラーのサービスで解決を図れるとして今回の協定につながった。今後は研究で示された疾患を予兆する統計データの傾向が県民にも当てはまるかを精査していく。

 砂川学長は名桜大が重点的に取り組む疾患について生活習慣病や県民に多いとされる消化器系のがんを挙げ「データに基づくさまざまな疾患の予兆が確認できていけば、アプリに付加し、フィードバックしていきたい」と狙いを語った。

 宮倉社長は「今後、北部地域のみなさまの健康タッチポイントとして機能していくことで、より確かなビッグデータにもなり、健康アドバイスの質も向上していく」と協定締結の意義を語った。

(当間詩朗)