本島中北部のホテルが連携して観光人材の発掘、育成を目指す枠組みを発足させ、8月から第1期となる育成プロジェクトが始まっている。県内の学生を対象にした観光人材育成プログラムで、各ホテルが連携してイベントや講演、ワークショップなどの機会を設けて学生に観光業の魅力や大切さを伝え、担い手の創出につなげるのが狙い。
ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄、ヒルトン沖縄北谷リゾート、ハレクラニ沖縄、前田産業ホテルズ、ルネッサンスリゾートオキナワの5社が連携し、人材育成の枠組み「ホープフルオキナワ」を今年の4月に立ち上げ、育成プログラムを練ってきた。
8月初旬に始まった第1期は、学生らにブランディング、自己分析ワーク、ホテル視察などに参加してもらう。最終プレゼンとして、学生自身が選考を受けてみたいと思える採用施策の企画や、顧客目線から気が付いたサービスの改善策を提案する。5社が独自にプログラムを作成し、それぞれの施設を用いて運営する。
ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄の人事担当者によると、夏の繁忙期の人手不足が深刻だ。通常の約10%の増員が必要で、この時期は5社合計で100~150人程度が不足している。
人手不足の対応策として、卒業後に就職先として選んでもらえる即戦力の養成だけでなく、外国人人材やデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用、観光業の運営に対する考え方など、業界について広く学ぶことができるのが特徴だ。
10~15日間を1クールにして、高校生以上の学生を対象に30人程度ずつ行う。第2期は11月から始め、年間4~5クールを回す予定だという。年間100~150人の参加を目標とする。
運営担当者は「現在のプログラムはホテル中心だが、今後は観光業全体に向けて実施し、行政などとのかかわりも増やして取り組みを広げたい。一人でも多く観光業を志す人が増えてほしい」と話した。
(與那覇智早)