県建設業協会の「女性部会」が10日、発足した。那覇市の沖縄ハーバービューホテルで総会があり、初代部会長に丸元建設社長の糸数幸恵氏(37)を選任した。副部会長には上地千登勢氏(63)=金秀建設社長、新本真紀子氏(52)=りゅうせき建設取締役環境事業本部てぃーだ部長、岸本ひとみ氏(53)=屋部土建女性活躍推進室課長=の3氏が就任した。
人手確保や高度な技能を持つ従事者の育成のため、女性が働きやすい環境を整えることに力を入れる。今後は専門部会も立ち上げ、働く環境の改善や業界の魅力を発信する広報活動などに取り組む。
糸数会長は「女性が交流して集まる機会は少なかった。皆さんのアイデアを反映させながら、魅力的な建設業界にしていきたい」と抱負を述べた。県建設業協会の津波達也会長は「女性の方々の英知と感性を生かし、業界の諸問題解決、処遇改善で男女共に活躍できる場をつくっていきたい」とエールを送った。 (島袋良太)
【糸数部会長・一問一答】入職者を増やしたい
10日発足した県建設業協会女性部会の部会長に就任した糸数幸恵氏との一問一答は次の通り。
―立ち上げの背景は。
「2019年から県内の女性建設業従事者有志でつくる『teamけんせつ美ら小町』が活動し、現在は40人ほどに増えた。交流会や女子中学生向けの仕事体験などを行ってきたが、活動の幅に制約もあった。そんな中、協会から女性部会設立の話があった。連携すればパワーアップする」
「従来の活動は交流が中心で、職場環境の改善など踏み込めない分野もあった。女性部会は大きく二つに分けて、職場環境の改善と広報活動に特に取り組んでいきたい。県中小建設業協会など関係団体も多い。それぞれの活動に横串も刺して連携を深めるには県建設業協会の力が必要だ」
―業界の人手不足問題の解決に女性従事者の確保も期待されている。男性職場のイメージも強いが、女性のキャリア形成はどう推進する。
「部会立ち上げで、女性活躍推進室があったり、女性の働きやすさで表彰されたりしている企業のメンバーも一緒に活動できる。どうやって長く勤めているのかという良い事例を共有する場から作っていきたい」
「女性が働きやすい環境を作るにはハード面とソフト面の両方が大事だ。暑さ対策やトイレ、作業服の配慮など現場での上司の対応、ライフステージに応じたキャリア形成支援などさまざまな対応が必要だ。男性の働きやすさにもつながる」
―最も力を入れたいことは。
「入職者を増やすことだ。広報活動は一つの手段。建設業の仕事が近年どう変化したか、世の中にまだ伝わっていない部分がある。建築では近年女性就業者が増えてきている。5~6年前から加速してきているが、企業マインドの変化が一番大きいと思う。土木はまだまだ女性が少ない。ここをどう増やしていけるかが課題だ」