先端技術で観光課題を解決しようと、台湾のIT関連企業4社が開発した製品を、国頭村の観光施設などに設置する実証実験が、17日から始まった。地域課題の解決に取り組むMOAI(平良香織代表)が企画運営し、国頭村観光協会が協力している。来年3月末まで。
同協会の窓口には、多言語に対応したリアルタイム音声翻訳機が設置された。話した内容が翻訳されてディスプレーに文字で表示されることで、外国人観光客への観光情報の提供が容易となる。
道の駅ゆいゆい国頭と金武町の伊芸サービスエリアには、AI(人工知能)を活用した観光案内のシステムを配置した。4言語に対応しており、音声でお薦めの観光施設などを検索できる。
国頭村のヤンバルクイナ生態展示学習施設「クイナの森」では、超音波を使ったカラスなどに対する鳥獣対策機器を設置。今後、ロードキル対策などへの活用も検討する。
このほか、低電力でディスプレー表示に優れたソーラーバス停やサイネージなども設置した。
外国人観光客の急増とそれに対応する人材の不足などに悩む本島北部地域の課題解決につなげる狙い。特許技術を持つ台湾企業がMOAIを窓口として提供した。
平良代表は「先進技術を活用して、世界自然遺産と共存できる観光サービスを提供したい」と話した。現在、製品導入に意欲的な県内のホテルや観光施設もあるという。
(玉寄光太)