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太陽石油、傘下の南西石油を吸収合併 代替燃料向け効率化 1968年設立、社名に幕 雇用は継続


太陽石油、傘下の南西石油を吸収合併 代替燃料向け効率化 1968年設立、社名に幕 雇用は継続 12月1日付で親会社の太陽石油に吸収合併される南西石油
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 四国を拠点とする太陽石油(山本堯大社長)は21日、完全子会社の南西石油(西原町、村上統社長)を吸収合併すると発表した。11月の株主総会を経て、12月1日付での吸収を予定している。1968年に設立され、沖縄の日本復帰の72年から続いた「南西石油」の社名は11月末でなくなり、太陽石油の沖縄での事業所となる。南西石油の従業員63人の雇用は太陽石油に引き継がれる。

 太陽石油によると、エタノールを原料にした環境負荷の低い「再生航空燃料」(SAF)や、軽油の代替燃料「リニューアブルディーゼル」(RD)の製造・販売に向けて太陽石油本体と一体的に取り組み、効率化を図るため、吸収合併を決めた。

 南西石油が有する約20万平方メートルの遊休地や既設タンクなどを活用し、カーボンニュートラルに向けた新分野の事業展開を強化する。

 太陽石油と三井物産(東京都)は2028年度のSAFやRDの製造開始に向けて検討を進めており、内閣府の「沖縄型クリーンエネルギー導入促進調査事業」にも採択されている。

 南西石油は「エッソスタンダード沖縄」として1968年に設立。日本復帰に伴い、72年に現社名に変更した。エクソンモービルの子会社「東燃ゼネラル石油」などが株式の大部分を保有し、かつては県内企業の売上高ランキングで首位になることもあった。

 2008年にブラジルの国営石油企業「ペトロブラス」が中国への石油輸出の拠点として買収したが、本国での汚職問題で経営が傾いたペトロ社の日本撤退に伴い、15年には主力の原油精製事業から撤退した。その後16年に太陽石油が全株式を取得し、完全子会社化した経緯がある。

 (島袋良太)