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沖縄戦後に届いた世界の支援 豊見城中で出前授業 「海外の県系人」から「平和」学ぶ


沖縄戦後に届いた世界の支援 豊見城中で出前授業 「海外の県系人」から「平和」学ぶ 平和を考える授業で世界のウチナーンチュについて学ぶ生徒ら=10月27日、豊見城市立豊見城中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 【豊見城】豊見城市立豊見城中学校(島袋篤校長)の3年生286人を対象に、世界のウチナーンチュ(県系人)を通して平和を考える授業が10月27日、同校で実施された。沖縄の移民の歴史や世界に広がる県系人のネットワーク、戦後に沖縄を助けようと国境を越えた支援があったことなどが伝えられた。生徒たちは「人とのつながりが平和をつくるのでは」「海外の県系人に関心を持っていきたい」など感想を語った。

 平和学習などを提供する「うなぁ沖縄」代表の玉城直美さんが講師を務めた。玉城さんは「戦後、沖縄がどう立て直していったか、豊かになったかを考える時、世界の移民たちのことを考えてほしい」と呼びかけた。生徒たちに自ら考え、周囲と共有するよう求めた。

 生徒たちはハワイの県系人が戦後、沖縄に豚を送った話に驚いた様子だった。大城希愛さん(14)は「世界からの支援を知り、沖縄からも世界を支援したいと思った」と話した。

 糸満愛莉さん(15)は「いままで悲惨な沖縄戦について学ぶことが多く、戦後どう平和になったかは学んでいなかった」と話す。今夏、ハワイ留学して、県系人とも交流した。「県系人とつながり、交流したい」と目標を掲げた。嘉数心さん(15)も「世界と協力し合うことが平和への一歩かもしれない」と力を込めた。

 (岩崎みどり)