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「嫌」って言える? モバプリの知っ得[255]


「嫌」って言える? モバプリの知っ得[255] イラスト 小谷茶(コタニティー)
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今年のニュースで私が印象に残ったは、「旧ジャニーズ事務所の性加害問題」と「宝塚歌劇団のいじめ・パワハラ問題」です。事件の内容そのものは少し違いますが、組織の中で長い間、問題が続いていたことにゾッとします。伝統があればあるほど「組織を守る」という理由が生まれ、問題点に気付いたとしても言い出しにくい空気があったと思います。これを「同調圧力」と呼びます。

同調圧力は旧ジャニーズや宝塚のような芸能の世界だけでなく【※1】、会社や学校、部活、家などさまざまな場面で発生します。問題があるのを感じながらも、リーダー(やリーダーと仲がいい人)に逆らうのが怖く、黙ってしまう。学校で発生するいじめの問題、大人の社会で発生するパラハラの問題も似たような構造があるでしょう。嫌なことにきちんと「嫌です」と言い、問題があることを「問題ですよ」と指摘する。すごく勇気のいることでこれまでは難しかったと思いますが、少しずつ社会の考え方が変わり、声を上げた人のおかげで社会がいいように変わっていくことも増えてきました。

新聞を読んでいる皆さんは、毎日いろいろなニュースを目にすると思います。その時に「何があったか」を頭に入れた上で、ニュースとニュースの似ている部分を探してみてください。そうすることで「これって、自分の周りにもある出来事だな…」と気が付くことができ、自分がどうするべきか、どう考えるべきかが、何となく見えてくるでしょう。

~ 言葉の解説 ~

※1 芸能の世界だけでなく … 同調圧力そのものはさまざまな場面で発生しますが、旧ジャニーズや宝塚などの芸能の問題が出た時は、熱心なファンの一部の人が、「こういうことを話題にして事務所の印象を悪くするな」と批判が出て、被害者のバッシングに発展しました。内部だけでなく外部のファンからも「同調圧力」がかかるため、余計に問題点を指摘しにくいということです。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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