有料

琉球料理を高校生に伝授 糸満で伝承人講座 3品調理実演、菓子も紹介


琉球料理を高校生に伝授 糸満で伝承人講座 3品調理実演、菓子も紹介 ゴーヤーチャンプルー作りを通して琉球料理の特徴を解説する琉球料理伝承人の金城助さん=12月24日、糸満市のくくる糸満
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【糸満】糸満市のくくる糸満で12月24日、琉球料理伝承人講座があった。読売新聞社と沖縄美ら島財団が主催する「沖縄未来コンサバターズ」の一環。琉球料理伝承人で沖縄調理師専門学校講師の金城助さん(53)が、実演を交えて琉球料理の魅力を伝えた。県内外の高校生が受講した。

 講座ではイナムドゥチやクファジューシー、ゴーヤーチャンプルーを調理。金城さんは、豚肉は皮が付いたまま使うが、煮て余分な脂を落とし健康的に食べられるようにしているなど、琉球料理の工夫を紹介しつつ、調理を進めた。琉球王朝時代の菓子や琉球宮廷料理についても触れ、包丁でカットし花柄を描いている焼き菓子「花ぼうる」など、何げない造形に料理人の技があることを伝えた。

 金城さんは「若い世代が琉球料理文化の情報を知ることが文化の維持。作り方を知れば発展につながる」と話し、家庭内でも琉球料理を食べる機会を作る大切さを語った。

 料理は琉球漆器に盛り付けられた。塩のみの味付けだが、卵が絡んだゴーヤーと表面を焼いた豆腐の味わいが奥深いゴーヤーチャンプルーなど、丁寧に調理された料理に、受講生は舌鼓を打った。

 「沖縄らしいデザインができた背景を知りたい」と受講した久慈紗緒里さん(17)=埼玉県=は「沖縄らしさは、中国と日本の文化をバランスよく取り入れてできた結果だと学んだ」と振り返った。「味もおいしく、見た目も洗練されている」と笑顔を見せた。

 講座前に琉球料理伝承人の伊是名カエさんが、沖縄の食文化について講話した。

(藤村謙吾)