有料

災害時のSNS モバプリの知っ得[257]


災害時のSNS モバプリの知っ得[257] イラスト 小谷茶(コタニティー)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

1月1日午後4時10分ごろ、石川県の能登(のと)半島を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生しました。地震の発生から2週間ほどたちますが、被害が大きく、復興するまでには時間がかかってしまいそうです。沖縄でニュースを見た皆さんも、「正月から大変なことが起きた」と不安になったことでしょう【※1】

地震の発生直後からSNSでは、さまざまな情報が広がりましたが、中には事実ではない間違った情報も含まれているようです【※2】。情報を拡散している人は善意(ぜんい)の気持ちでしょうが、その情報が正確でなければ被災地が余計に混乱する恐れがあります。

こうした時は自分が積極的に発信するのではなく、発信する人たちを「この人はあおる情報ばかりを発信する」「この人は一度間違った情報を出したけど、きちんと訂正して謝った」などと観察をすることが大事です。これを積み重ねることで、自分が被災した時も「ここの情報は信用できる」「ここの情報は信用できない」と、より正確な判断ができるかもしれないからです。「被災地のために何ができるか」を考えながら、「自分が被災した時、どうするか」もセットで考えたいですね。

~ 言葉の解説 ~

※1 不安になったことでしょう … 不安な気持ちが増すと分かっていながら、スマホから情報を次々と受け取ることを「ドゥームスクローリング」と呼びます。被災地で何が起こっているのか関心を持つことは大事ですが、心の健康状態がだんだん悪くなることもあります。不安で仕方ない時は、SNSを一時的に削除したり、スマホと距離を取ったりすることが重要です。関連記事については、下記の記事で確認することができます。

※2 間違った情報も含まれているようです … 心理学者のG・Wオールポートは「デマの心理学」(1947年)で、デマが広がる方程式を「デマの広がり=重要さ×あいまいさ」と説明しています。大きな災害時は、重要さとあいまいさが大きくなりますので、デマが広がりやすくなるのも当然でしょう。この方程式を覚えておけば、どのような時にデマに注意するのか、意識できるかもしれませんね。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

https://mobileprince.jp/