61歳で大学受験に挑戦した渡邉彰子さん(豊見城市)が昨年12月、琉大国際地域創造学部夜間主コースに社会人枠で合格した。58歳で群馬県から沖縄県に引っ越し、昨年9月に泊高校定時制課程(夜間)=那覇市=を卒業。泊高で学び直す中で好奇心があふれ、卒業後も学び続けるために大学入試に挑戦した。「憧れだった大学入学が現実になってうれしい」と、今春からの新生活に胸を高鳴らせている。
渡邉さんは2019年、群馬県から沖縄県に引っ越した。仕事をやめ、一緒に暮らしていた親が亡くなった時だった。「一人になった時、憧れだった沖縄に移住したいと思った」。翌年、10代で中退した高校で再び勉強しようと、泊高校に入学した。
大学進学は高校3年時から考えるようになった。英語を学び直す中で、英文が読めるようになり、言葉が聞き取れるようになるほど、学びへの好奇心も高まった。「高校卒業と同時に勉強しなくなるのはいやだと思った。そんな時、先生から大学なら勉強し放題だと聞いて進学したいと思うようになった」と振り返る。
高3で英検準2級に合格し「頑張れば結果が出る。諦めずにやってみることに価値がある」と気持ちに変化が生まれた。大学進学も年齢や経済面から悩んだが、泊高の教諭から「年齢で諦めることはない」と背中を押されて受験を決心した。試験は12月で高校卒業後だったが、教諭から卒業後も受験科目の小論文と面接の対策をサポートしてもらった。
琉大では英語学を学び、卒業後は無料塾で中学生に英語を教えることが目標という。泊高のクラスメートの多くが不登校経験があったことから、高校進学のために基礎英語を教える手助けをするのが夢だ。「春からの4年間は勉強漬けになる。落ちこぼれないように今から準備しなくては」と意欲を燃やしている。
(高橋夏帆)