【名護】名護市の名桜大学で1月16日、FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)2023日本組織委員会の笠原健太さんと県文化観光スポーツ部スポーツ振興課の畠山一洋さんを招いた講義が開催された。同大人間健康学部の学生約65人が参加し、バスケW杯の舞台裏や県のスポーツ振興施策などに耳を傾けた。
W杯の企画・運営に携わった笠原さんは、大会の6年前からどのように企画・広報・販促をしたかを説明。沖縄市が主催した1カ月前イベントや、行政と協力して設置したファンゾーンなどを紹介し「大型の大会になると行政のバックアップは欠かせない。(今後も国際大会を成功させるには)県はさらに積極的な関与が求められるし、人材育成も必要だ」と話した。
畠山さんは県のスポーツ推進計画を紹介。コンセプトに掲げる「スポーツアイランド沖縄」に向け、健康維持やデータを活用した選手育成などの「インナー施策」やスポーツコンベンションの誘致やスポーツ産業の創出を目指す「アウター施策」などを解説した。
学生から「W杯中、対応に困ったことはあったか」と質問された笠原さんは、スロベニアのバス到着が遅れた事例を紹介。スロベニアは過去3回の国際大会でもバスに遅れがあり、今回も遅れたことで焦りを感じたが、プレーヤーファーストの運営方針のもと、選手専用ラウンジを充実させていたことで選手の怒りが抑えられ「なんとかなりました」と苦笑した。
同大2年の喜納遥斗さん(19)は「自分もバスケをしていたので、ワールドカップの裏話を楽しみにしていた。大会の成功には海外との連携や、チケットの買い手の目線を考えるなど、いろんな要素があったのだと知ることができた」と話した。
(金城大樹)