中部農林高校(新垣博之校長)食品科学科2年の生徒たちが15日、県庁に半嶺満県教育長を訪ね、2月に鹿児島で開かれた第9回高校生国際シンポジウムでグランプリ(文部科学大臣賞)を受賞したことを報告した。日頃の探求・研究活動の成果を発表する大会で、生物部門の最優秀賞に選出され、同部門を含む5部門の最優秀賞の中からグランプリにも選ばれ、ダブル受賞となった。
受賞したのは、阿波根青空(そら)さん、石川実夢(みゆ)さん、伊波心陽(こはる)さん、奥呂木(こうろぎ)響さん、前當叶希(かない)さんの5人。
研究では、ドラゴンフルーツ農家から規格外品が大量に出て困っていることを聞き、学科で学んでいる食品加工技術を活用した加工品開発に取り組んだ。報告では、解凍時に出る「ドリップ」による栄養分の流出や風味、食感の劣化などの課題を解決しようと試行錯誤したことを語った。
開発した冷凍の加工品は、うるま市のカフェでロールケーキとして販売された。石川さんは「今後は農家の所得向上のために、農家や企業と関わっていきたい」と話した。 指導した仲村啓亮教諭によると、発表校で唯一の専門高校だった。奥呂木さんは「違う地域の出場校がたくさんいて、視点の違いを学ぶことができた」と語った。
昨年12月に沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開かれた高校生の科学発表コンテスト「SCORE(スコア)」で最優秀賞を受賞し、今回のシンポジウムにエントリーされた。7月にはシンガポールで開かれる国際大会にも出場する予定。
(慶田城七瀬)