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SNS企業が詐欺を手伝っている? モバプリの知っ得[275]


SNS企業が詐欺を手伝っている? モバプリの知っ得[275]
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SNS型投資詐欺の被害が広がっています。被害総額は今年1月から3月の間で約219億円と昨年を上回るペースで広がっており、警察も注意を呼びかけています。手口としては、有名人の写真や企業のロゴを勝手に使用した偽物の広告【※1】からLINEグループに誘導し、そこでお金をだまし取ります。

本来は広告をしっかり審査し、トラブルにならないよう管理するのがSNS企業の仕事です。しかし、現状はSNSの広告が詐欺の入り口に。ずっと問題が指摘されているにもかかわらず、SNS企業は対策を取れずに被害が拡大し続けています。結果的に、SNS企業が詐欺を手伝ってしまっている状態が続いているということです。

5月10日には法律が改正され、「情報流通プラットフォーム対処法」という名前の法律ができました。これは、大手のSNS企業に対して、投稿の削除などを申請しやすくするといったものです。詐欺広告だけでなく、SNSの誹謗中傷を抑える目的で法律が改正されました。ただし、この法律に違反しても、罰金が最大1億円のため、SNS企業がどこまで本気で対策を取るのかは分かりません(無視して1億円以上もうかる場合は罰金を払った方が安いため)。

今後、AIの技術がどんどん向上すると、より見分けにくい投資詐欺が出てくるでしょう。誰もがだまされる可能性があります。「私はだまし取られるお金がないから大丈夫」と安心する人もいるでしょうが、借金をさせてお金をだまし取るケースもあるため油断はできません。

~ 言葉の解説 ~

※1 有名人の写真や企業のロゴを勝手に使用した偽物の広告 … SNS型投資詐欺には「お金をだまし取られる」「勝手に名前や写真が使われる」という二つの被害があります。実業家の堀江貴文さんは、SNSに自身の名前や写真を勝手に使用された投資詐欺広告の被害に遭いながら、SNSに自分の仕事の広告を出したらアカウントが凍結されたと報告しています。偽物の詐欺広告は野放しにされ、本物の広告が凍結されるというおかしな状況になっています。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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