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児童と学びつくり 準大賞 那覇・城岳小 NITS大賞、県内から初入賞


児童と学びつくり 準大賞 那覇・城岳小 NITS大賞、県内から初入賞 児童が先生役となって学びを深める那覇市立城岳小学校の算数の授業=2023年11月、那覇市の同校(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 学校現場の課題解決を目指した取り組みを表彰する「第7回NITS大賞」(主催・独立行政法人教職員支援機構)でこのほど、那覇市立城岳小学校(津波匠校長)が準大賞となった。県内の学校の入賞は初めて。児童と教員が一緒に、授業の計画から振り返りまでを行うなど、ともに学びを作る点が評価された。タブレット端末のガイドラインを生徒主体で作成した那覇市立城北中学校も優秀賞だった。
 NITS大賞は優れた教育活動の普及を目的に開催している。今大会では全国の幼、小中高校から81点の応募があった。
 準大賞の城岳小は2023年度から県教育委員会研究指定校に選ばれ、主体的に学ぶ児童の育成法を模索している。研究を基に応募。書類とプレゼンテーション審査を経て今年3月、準大賞に選ばれた。
 3年生のクラスでは、児童と教員とが算数の授業の計画を立てた。教員は単元に入る前に児童に身につけてほしい力などを伝え、一緒に授業の進め方を考えた。児童が先生役となって、家庭学習などで教材研究を進めて授業を実施。重要な部分は教員が教えるなど、役割分担をした。
 授業後には児童と一緒に振り返りをした。児童は理解できたことが明確になり、教員は児童のつまずきの背景にある要因を知り、考えが予想できるようになった。また、良い学び方を共有するため、児童と教員が他クラスの授業を参観した。
 研究主任の平良登喜子教諭は「子どもたちが意欲的に学ぶようになった。自分たちから教科書を開く、家庭学習をしてくるなどの変化があった」と成果を語った。
 14日には県教育庁で受賞報告が行われた。池原鉄教頭は「子どもから『自分たちの学びは』と主体的に感じる言葉が出る。子どもとどこまで一緒に学びを作れるのか突き詰めた」と語った。半嶺満教育長は「これからは自ら学ぶ力を育むことが求められる。取り組みを県内各地に広めてほしい」と期待した。
 第7回NITS大賞の、入賞校の取り組みは、NITSのホームページで確認できる。 (高橋夏帆)