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いじめ アプリで相談 NTTデータ 学習端末の活用想定


いじめ アプリで相談 NTTデータ 学習端末の活用想定 相談アプリのイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 NTTデータが今月、全国の小中学校や高校に向けて、児童や生徒が悩みを相談できるアプリの提供を本格的に始める。いじめの認知件数が全国的に増える中、学校側が早期に問題の兆候を把握し、いじめの深刻化や不登校を未然に防ぐ狙い。文部科学省の「GIGAスクール構想」で1人1台配備となった学習端末の活用を想定する。
 子会社のNTTデータ関西(大阪市)がアプリ「ぽーち」の開発と販売を手がける。
 これまでは主に公立校を運営する自治体に販売し、大阪府枚方市立63小中で3万人弱の生徒が利用しているが、私立校も含め提供先を全国に広げる。
 導入費用は1校20万円前後から。
 生徒らは端末にアプリをダウンロードし、スクールカウンセラーなどに匿名でチャットできる。低学年でも相談しやすいよう「友達」や「勉強」といった悩みのジャンルを選択式で用意した。
 高校生は個人のスマートフォンなどから相談する。匿名の相談でも、カウンセラーと学校側が連携し早期の解決を図る。
 気分や体調を実名のアンケートで答える機能も備え、担任の教師らが子どもの不調に気づけるようにした。不調の子どもにはアプリが自動でチャットし、カウンセラーなどへの相談を促す。
 文科省の調査では、2022年度の小中高などのいじめ認知件数は68万1948件で最多を更新。政府はいじめ防止に向け、端末の活用やカウンセラーの充実を後押ししている。