有料

Jアラートで差別をあおる? モバプリの知っ得[277]


Jアラートで差別をあおる? モバプリの知っ得[277]
この記事を書いた人 Avatar photo 外部執筆者

日本政府は5月27日夜、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使い、北朝鮮がミサイルを発射したもようだと速報を出しました。打ち上げは失敗したようで、被害は確認されていません。ミサイルの発射、地震・津波などの大災害の時には、スマホから警報の音が大きく鳴るように設定され、注意を呼びかけるため不安に感じるメロディーとなっています。朝や夜から不安になる音が鳴り、「ミサイルなんて飛ばすなよ」という私たちの気持ちにつけ込むように、SNSでは差別をあおる言葉が投稿されます。

韓国、北朝鮮と日本の間で政治的な問題が起こると、韓国・朝鮮の人々に向けてヘイトスピーチ【※1】の投稿が増え、それらの投稿に「いいね」がたくさん付いたり、拡散されたりします。本来はSNS側がこうした差別的な投稿を抑えるために管理しないといけませんが、うまく管理できていないのが現状です。大きな災害が発生すると「外国人が強盗をしている」などのデマがSNSで広がり、私たちの心の奥にある偏見や差別意識が増幅されます。

デマの広がる方程式は「重要さ×曖昧さ」だと言われています。災害や緊急事態は、そもそも重要さも曖昧さも大きくなるため、デマが広がりやすいです。その時、社会の中にある外国人への“差別意識”をあおる悪質な投稿で、一気にヘイトスピーチが拡散されます。災害時に見かける情報には注意をしつつ、自分の中にある差別意識をどのようにして取り除いていくか考え続けていくことも大事です。

~ 言葉の解説 ~

※1 ヘイトスピーチ … 「憎悪表現」とも呼ばれ、特定の民族や人種、宗教、性別、職業、出身地などを対象にした差別的な発言や行動のことをいいます。「◯◯人は国に帰れ!」などはストレートなヘイトスピーチです。最近では「◯◯人狩りを始めよう」などの直接的な暴力をにおわせる書き込みも多く拡散されています。ネットを見ていると、こうしたヘイトスピーチが当たり前のように書き込まれているので慣れてしまいそうですが、人を傷つける行為ですので絶対にやめましょう。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

https://mobileprince.jp/