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学力テストで自校採点96%、事前対策70%が実施 教員の負担改善せず 沖縄県教職員組合が調査 


学力テストで自校採点96%、事前対策70%が実施 教員の負担改善せず 沖縄県教職員組合が調査  イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 文部科学省が小学校6年生と中学校3年生を対象に実施している「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)について、県教職員組合(沖教組)は8日、組合員を対象に実施したアンケート結果を公表した。小中学校360校の組合員に文書を送付し、91校が回答した。88校(96・7%)が自校採点、64校(70・3%)が事前対策を実施したことなどが分かった。

 沖教組の木本邦広委員長は点数の向上が目的化して教育活動にゆがみをもたらしていると指摘する。文科省は授業での事前対策をしないよう呼びかけているが、現場では点数へのプレッシャーから対策の実施が常態化していることなどを説明した。

 自校採点については、結果をウェブシステムに入力する業務と合わせて教員の大きな負担になっているとして、沖教組が県教育委員会に中止を要請していた。91校中自校採点を実施しなかったのは2校にとどまり、1校は未回答だった。

 事前対策については複数回答で、授業で実施したのが53校、春休みの宿題が13校、通常の宿題が9校、補習が8校だった。組合側は児童生徒の学力を測る趣旨から外れるなどとして、事前対策の必要性についても疑問視している。

 木本委員長は「近日中に県教委にアンケート結果を現場の声として届け、協議を申し入れたい」とコメントした。