有料

世界の言語に興味津々 豊見城・長嶺小 言語学者招き授業


世界の言語に興味津々 豊見城・長嶺小 言語学者招き授業 長嶺小学校の児童に言語の種類や文字などを紹介するクロス・ルベンさん(右)=9日、豊見城市の同校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 世界の言語について児童に関心を持ってもらおうと、豊見城市立長嶺小学校(瑞慶覧長洋校長)は9日、言語学者のクロス・ルベンさん(30)を招いた特別授業を開いた。ルベンさんはクイズ形式などで言語の種類や文字などを紹介し、5年生約90人が楽しみながら多言語に親しんだ。
 授業は主にクイズ形式で進んだ。世界に存在する言語の数のクイズでは、ルベンさんが約7千言語あるという説を伝えると、児童からは驚きの声が上がった。ルベンさんは「言語の数え方は難しく、言語学者も決まった数は分からない。3500~7千あると言われている」と語った。
 最も言語が多い国はパプアニューギニアで840言語あることや、ユニークな形の文字なども紹介した。
 上原朝陽さん(10)は「言語の種類が多くてびっくりした。新しい言語を知ることは楽しい」と笑顔を見せた。授業後の取材に、ルベンさんは自身の経験から子どもが多言語に触れる意義を語った。「好奇心が強い時に多言語に触れ、自分が何の言語に興味があるのかを知ってほしい。学びの選択肢が広がる」と述べた。
 ルベンさんはスペイン出身。今年3月、琉球大で言語学・言語科学の博士号を取得した。現在、県内の小中高校で無償で多言語の授業を行っている。6~11カ国語を話すことができる。
 授業は小学5年生の英語の単元「世界のあいさつ」の実践編として実施した。長嶺小で英語活動補助員(JTE)を務める石川美樹さんが、児童が言語に興味を抱き、世界に目を向けてもらおうとルベンさんを招いた。(高橋夏帆)