経済的に困窮する小児がん経験者に給付型奨学金を出す認定NPO法人「ゴールドリボン・ネットワーク」(東京)は、大学・短大・専門学校への2025年度入学を目指す高校3年生と既卒者を対象に奨学生の募集を始めた。定員は20人程度で、うち最大3人を能登半島地震被災者の枠とする。募集期間は10月15日まで。
奨学金は返済不要で、卒業まで月額4万円を給付する。18歳未満の時にがんに罹患(りかん)したことが条件。受験前に申請を受け付けて選考し、志望校の合格に伴い最終決定する。能登半島地震被災者の枠に応募するには罹災(りさい)証明書が必要になる。
法人によると、国内では1年間に15歳未満の約2千~2500人が小児がんと診断される。医療の進歩で生存率は上がったが、がん自体や治療による後遺症が半数程度の人にみられ、視力や視野の異常、内分泌機能障害などがある。治療費がかかる上に、アルバイトが難しい学生も多い。
法人が制度を始めた2015年から24年3月までに支給の決定を受けたのは計125人。担当者は、小児がん経験者の金銭的負担の重さを広く知ってもらいたいとし「進学を後押ししたい」と話す。募集要項は法人ホームページに掲載されている。