【北海道で西田悠】北海道を舞台に全国の高校生が写真の腕を競う第31回写真甲子園2024本戦は31日、初日の撮影会が行われた。午前は気温10度台半ばの霧雨が降り注ぐ旭岳、午後は太陽が照りつける美瑛町の市街地が撮影地。厳しい撮影条件の中、沖縄から出場した真和志高校の3人は開催地の人々との関わりを糧に、力を合わせて初日を乗り越えた。
29日の北海道入り以降、「不安しかない」と緊張していた真和志の松長洋汰郎さん(3年)、村山碧さん(同)、エスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん(2年)。3人を和ませたのは、30日夜を過ごしたホームステイ先の森田栄さん(71)、るり子さん(70)夫妻=東川町=だった。自家栽培のメロンや野菜の漬物をふるまい、「撮影相手の目を見て、ほほ笑んだらすぐ仲良くなれるよ」と語る夫妻の温かさにふれ、3人の表情は次第にほころんだ。
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31日に行われたファーストステージのテーマは「またたき」。真和志は被写体となる現地の人々との交流の中で、その場限りの「一瞬を捉えること」に視点を定めた。
この日、大きな変化を見せたのは村山さん。自身のメンタルを「ゆし豆腐くらいもろい」と苦笑し「出会ってすぐの相手と距離を詰めるのが苦手」と語る。それでも、美瑛町での撮影では子ども支援センターの職員に勇気を出して声をかけ、幼児たちの晴れやかな笑顔を引き出した。
顧問で監督の佐々木郁也教諭(24)は「相手の目線に合わせ、飾らないしぐさを写し出せる強みを今後に生かしてほしい」と背中を押す。撮影に協力してくれた幼児との別れ際、「バイバーイ!」とハイタッチした村山さん。「(1日朝に発表予定の)ファーストステージの審査結果を引きずらず、改善できることは3人で話し合って次に生かしたい」と前を向いた。