文部科学省は7月29日、全国の小学6年生と中学3年生を対象に4月に実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を公表した。本紙の7月30日付に続いて、沖縄の特徴と全国平均について詳報する。
全国学力テストの学校側への質問調査では、教員のメンタルヘルス対策についての課題も浮き彫りになった。新設の「ストレスチェックの結果の活用や研修など、教職員自身の心身の健康状態を振り返り対処する機会が提供されているか」の設問で、「そう思う」と答えた割合は中学校が全国平均40.2%に対し沖縄は27.5%、小学校は同41.7%に対し31.2%と、いずれも10ポイント以上、下回った。
労働安全衛生法では職員50人未満の職場におけるストレスチェックが「努力義務」となっているが、文部科学省は「規模にかかわらず全ての学校で適切に実施されることが望ましい」との見解を示している。
県教育委員会によると、ストレスチェックを全ての教職員に実施できていない学校も一定程度あり、実施率を高めることが当面の課題だという。
県内の教職員は、精神疾患による休職者の割合が過去10年以上、全国平均の2倍以上の状態が続いている。ストレスチェックの実施状況の改善や、実施結果を教職員に適切にフィードバックする取り組みが必要だといえる。
メンタルヘルスに関連する項目として「教職員が困っているとき、互いに相談できる雰囲気があると思うか」の質問も新たに設けられた。「そう思う」と答えた割合は、中学校で沖縄が66.7%となり、全国平均63.6%を上回った。一方、小学校は60.3%と、全国平均72.3%を12ポイント下回った。
困ったときに相談できる環境があることは、教職員の心身の健康を守る上でも重要な要素となりうる。「どちらかといえばそう思う」を含めると肯定的な回答はほぼ100%に達するが、休職者の状況も踏まえると、より相談しやすい環境を整えることが求められる。
(外間愛也)