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保護者にとっての受験対策 久米忠史(奨学金アドバイザー、まなびシード代表取締役) <未来へいっぽにほ>


保護者にとっての受験対策 久米忠史(奨学金アドバイザー、まなびシード代表取締役) <未来へいっぽにほ> 久米忠史
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 大学入試が昔とは様変わりしている。現在では作文、小論文や面接を重視する人物評価型の「推薦型」「総合型」の選抜方式が国公私立大ともに増加している。文部科学省によると、総合型、推薦型での2023年度の入学者割合は、国立大18.2%、公立大30.1%、私立大58.7%、私立短大87.9%となっている。

 総合型、推薦型選抜は10~12月に実施される。理解しなければならないのが、入学金や前期分授業料などの納付期限だ。多くの私立大では合格発表後の2週間以内に納付が求められる。奨学金の支給開始は大学進学後だ。そのため教育ローンを利用する家庭も多い。

 奨学金の契約者は学生自身だが、教育ローンは原則保護者が契約者となる。教育ローンには「国」と「民間」のローンがあり、沖縄振興開発金融公庫が国の教育ローンを担っている。国の教育ローンは、ひとり親や多子世帯だと0.4%、県内離島在住者の島外への進学には0.9%の利率低減が適用される。融資にあたっては審査があるので、資金が必要となる3カ月前には公庫に相談することが肝心だ。

 民間の教育ローンは各金融機関が商品を開発している。例えば琉球銀行は、例年受験ハイシーズンに合わせて特別金利キャンペーンを展開している。

 前回実施の同キャンペーンでは、国の教育ローンと同様にひとり親や県外進学、離島から本島へ進学する世帯にはさらなる利率低減を図るなど、特徴的な取り組みが見られた。

 合格発表後の納付金対策は保護者にとっての重要な受験対策といえるので早めに検討してほしい。

久米忠史 くめ・ただし

 奨学金アドバイザー。まなびシード代表取締役。2004年から沖縄の高校で始めた保護者・高校生向けの奨学金ガイダンスが好評で、現在は全国各地で講演を行う。1968年生まれ、和歌山県出身。