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「壁に当たっても、そこにはドアがある」沖縄アクターズ・牧野アンナさん、高校生2100人にエール


「壁に当たっても、そこにはドアがある」沖縄アクターズ・牧野アンナさん、高校生2100人にエール 高校生たちにエールを送る牧野アンナさん=7月16日、沖縄市の県立総合教育センター
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 県の高校生向けキャリア講演会が7月16日、沖縄市の県立総合教育センターで開かれ、オンラインを含め、県立高校の生徒ら約2100人が参加した。沖縄アクターズスクール最高執行責任者(COO)兼エグゼクティブプロデューサーの牧野アンナさんが登壇し、「迷ったら勇気を出して一歩踏み出して」とエールを送った。

 牧野さんは父であるマキノ正幸さんが始めたアクターズスクールに11歳から通い、15歳でアイドルデビュー。だが2曲目以降は売れず、沖縄に戻った。

 上京時の後悔から、その後「死にものぐるいで努力した」という牧野さんは、1992年、安室奈美恵さんやMAXのメンバーとともにスーパーモンキーズとして再びデビューを果たす。しかし、四六時中ダンスをする安室さんを見て「魅力や才能だけでなく、歌とかダンスに対するスタンスが違う。かなわない」と痛感。グループを脱退し、指導者に専念した。2度のデビューと脱退だが「2回目は死ぬほど一生懸命やった後だったから、壁が立ちはだかってもそこにはドアがあり、次があった」と話した。

レッスンで子どもたちを指導する牧野アンナさん(中央)=2024年3月、那覇市久茂地(小川昌宏撮影)

 その後、牧野さんはSPEEDやMAXなど多くのスターを育てるも、父である正幸さんとの指導法の違いなどに悩み始める。そのような中、ダウン症の子どもたちにダンスを教える機会を得て、ダウン症のある人のためのダンススクール「LOVE JUNX」を設立。長年アクターズを離れていたが、近年、父と和解して跡を継ぎ、昨年沖縄アクターズスクールを再始動させた。

 牧野さんは「いっぱい挫折した。でも挫折が大きい方が、その次の人生が跳ね上がる。迷ったら勇気を出して一歩踏み出して」と語った。

 生徒からの質問に答えた牧野さんは、自分が何に向いているのか分からず不安との声に「悩んでもいい。でも挑戦しないと一生見つからない。取りあえずでスタートしてもいいが、一生懸命やった先にしか答えは見えてこない」と頑張り抜くことの大切さを強調した。

 (田吹遥子)