世界中で大人気のゲーム「フォートナイト」が、約4年ぶりにスマホで遊べるようになりました【※1】。2020年、フォートナイトの開発元エピック・ゲームズは、アップルやグーグルのルールに従(したが)わず、独自の支払い方法を導入しました。これは、アプリの売り上げの30%をアップル、グーグルに支払わなければならないルールへの抗議でした。その結果、フォートナイトはスマホのアプリストアから削除され、アップルとの裁判に発展しました。
この4年間で、アップルやグーグルなどの「プラットフォーマー」と呼ばれる大企業が、自社の立場を利用して小規模の会社から搾取(さくしゅ)する構図が強く批判されるようになりました。ヨーロッパや日本で、こうした独占を厳しく禁止する法律ができたため、フォートナイトは復活できたのです。SNSのTwitterがイーロン・マスク氏に買収されて次々とルールが変わったように、買収や法律の変更などによって、私たちが日常的に利用しているサービスやゲームの雰囲気がガラッと変化することがあります。
IT業界では、一度人気になった会社がどんどん大きくなり、他の会社が参入しにくくなる「勝者総取り(ウィナー・テイクス・オール)」現象がよく起こります。そうなると、新しい会社や面白いアイデアのある事業が生まれにくくなり、私たちが選べるサービスが減少してしまう可能性があります。今回のフォートナイトの出来事が、スマホやゲームの世界で起きている複雑な問題について考えるきっかけになるかもしれませんね。
~ 言葉の解説 ~
※1 「フォートナイト」が、約4年ぶりにスマホで遊べるようになりました … 現在、日本国内では、Androidスマートフォンでフォートナイトのインストールが可能です。iPhone向けは来年以降の予定とアナウンスされています。
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。