【南風原】南風原町は「南風原町民平和の日」(10月12日)を前に11日、町立南星中学校平和実行委員会の生徒7人による学習発表会「受け継ぐもの」を同町役場で開いた。生徒たちは南風原町の沖縄戦について紹介。「戦争をしないためにできることは、戦争の愚かさを知り、平和の心を受け継いでいくことだ」と語り、若い世代が戦争の記憶を継承する大切さなどを訴えた。
2024年度の「町民平和の日事業」の一環。発表は南星中3年の高嶋一吹(いぶき)さん(15)、上原希秋(のあ)さん(15)、仲間優さん(15)と2年の内間珠愛(じゅな)さん(13)、玉城佳奈美さん(14)、北村夢乃さん(14)、1年の真喜志夢実さん(13)。冒頭「戦争があった時代に自分が過ごすことになったら、どういう気持ちだったのかという視点で見てほしい」と呼びかけ、リレー形式で発表した。
10・10空襲の被害を受けた与那覇や1944年12月11日に神里で起きた列車爆発事故、黄金森に造られた陸軍病院壕や、米軍からの砲撃の標的となった山川橋など南風原町の沖縄戦を振り返った。作成したスライドを見せながら、クイズを出題。戦争の悲惨さを考えてもらいながら詳細に伝えた。
生徒は「若者たちに平和の心をつないでいくことで、平和の大切さは伝わっていく。大事なのは絶やさないこと。自分の目で見た真実を大切にし、何を伝えるべきか、何を残すべきか考えてみてほしい」と語った。赤嶺正之町長ら役場職員らが出席。赤嶺町長は「生徒たちの学習を通して感じた戦争の悲惨さや命の尊さ、平和の大切さを感じていただき、平和について考える機会にしていただければ幸いだ」と述べた。
(田中芳)