祝デビュー50周年! 仲間が駆けつけ「FRIENDSHIP LIVE」を開催~細坪基佳さん・平賀和人さんにインタビュー~


祝デビュー50周年! 仲間が駆けつけ「FRIENDSHIP LIVE」を開催~細坪基佳さん・平賀和人さんにインタビュー~ (左)細坪基佳(ほそつぼ・もとよし)さん (右)平賀和人(ひらが・かずと)さん
この記事を書いた人 Avatar photo 饒波 貴子

フォーク界の人気ミュージシャンとして、1970年代から活躍している細坪基佳さん(元ふきのとう)と平賀和人さん(NSP)。今月、2人のデビュー50周年を記念した豪華なライブが沖縄で開催されます。何と杉田二郎さん、三浦和人さん、五十嵐浩晃さんという大御所メンバーが駆けつけて共演。沖縄のミュージシャンのゲスト出演も決定し、他では見られない特別なステージになりそうです。どんなライブになるのか、細坪さんと平賀さんに聞いてみました。

聞き手:饒波貴子(フリーライター)

フォーク界の人気ミュージシャン大集合!

―今月末に沖縄で「FRIENDSHIP LIVE(フレンドシップ ライブ)」を開催されますね。詳しく教えてください。

細坪:沖縄だけで開催予定の特別なライブです。平賀さんのフォークグループ「NSP(エヌエスピー)」は、今年デビュー50周年。僕がいたフォークデュオ「ふきのとう」が来年デビュー50周年を迎えるので、沖縄で記念イベントができないかということで企画したライブです。50周年はひとつの名目で、プライベートでも仲良くさせていただいている仲間たちと沖縄で楽しいことをやろうよ、という思いで集まるんですよ。

2011年に結成した(左から)平賀和人さん・細坪基佳さん・中村貴之さんによる「スリーハンサムズ」
2011年に結成した(左から)細坪基佳さん・中村貴之さん・平賀和人さんによる「スリーハンサムズ」

―豪華メンバー集合ですね。ご自身の曲も歌うでしょうが、細坪さんと平賀さんが演奏されるなどコラボレーションの予定もありますか?

平賀:自分の曲はもちろんやりますが、みんなの曲もやる気満々です。「全曲ベース弾きますよ!」と言って、無理やり登場しちゃいたいくらいの気持ちです(笑)。ベースを弾くのが好きですし、草野球でベースを踏むのも大好きです。ベース・プレイヤー&ベースボール・プレイヤーと呼んでください(笑)。

―ベースに縁が深いライフスタイルですね(笑)! 平賀さんは今回、「YSP(ゆりえすぴー)」というユニットでもステージに立つんですね。ニセ親子ユニットということで、話題のお二人ですね。

平賀:沖縄で初お披露目になります。僕が歌うとNSPになってしまうので、相棒のゆりえちゃんに歌ってもらい、僕はハモります。コーラスやギターはみなさんに手伝ってもらいたいと考えています。

―細坪さんはどんなステージをイメージしていますか?

細坪:それぞれ個人のコーナーはあった方がいいと思っています。そして観客のみなさんには「プライベートでもこんな風に仲良し」という僕たちの雰囲気を感じていただきたいので、誰かと誰かが一緒に1曲歌うとか、組み合わせなどを考えたいですね。ゲストの方には東京からギター1本だけ持って来てほしいと伝えてありますので、「平賀さん! ベース弾いてよ」とお願いしてくる方がいらっしゃると思うんです。なので、予想していなかった面白いコラボができたりするんじゃないかと楽しみです。僕らも自分の出番だけじゃなく、ステージの袖で最初から終わりまで一緒に楽しむライブになると思いますよ。実は、地元・沖縄のアーティストさんも駆けつけてくれる話もあるんです。

平賀:サプライズ・ゲストが登場するんですよ。ディアマンテスさん!

細坪:ディアマンテスのアルベルト城間さん、トム仲宗根さんが来てくださる予定です。

―ラテン音楽のディアマンテスさん。細坪さん、平賀さんのフォークソングで共演するイメージがわきません。

細坪:ディアマンテスのみなさんとは前に一度、沖縄で共演したんですよ。ある曲を一緒に歌ったら城間さんが気に入ってくれて、そのあと東京でコンサートを開催した時にも歌ってくれたらしい。「風来坊」という曲だったのですが歌ってもらえてうれしく、そういう縁で今回も顔を出してくれるんじゃないかなと思っています。用事ができたと当日言われないといいですが(笑)。

青春時代の思い出は「ムーンビーチ」

―沖縄には数えきれない位来ていらっしゃいますが、好きな場所や食べ物について教えてください。

細坪:本当に何度も行かせてもらっていて、初沖縄はもう50年近く前になります。初めてのコンサートを終えて沖縄が好きになり、何日か残ったんですよ。知人の紹介で泊まったのがホテルムーンビーチで、ベランダに出て月を見ながらワインを飲んだことを覚えています。沖縄の最初の思い出の場所といえばムーンビーチで、今でも近くを通ると懐かしくて。コンサートの打ち上げでタイガービーチあたりの温泉に行って、バーベキューしたこともよく覚えています。肉が印象的でおいしかったです。プラベートビーチで他のお客さんがいないから、バターを頭につけてリーゼントと言ってふざけたり(笑)、夜中に星を見ながらみんなで大声で歌ったり、ビーチで泳いだり。沖縄といえば、青春時代を思い出す海のイメージです。

細坪基佳さん
細坪基佳さん

平賀:僕もやっぱり海ですね。そして朝食べるヨモギのおかゆもすごく好き。体に良さそうな食べ物が多いですよね。

細坪:沖縄そばを食べた時、「うどんじゃない!?」と思いませんでした? 最初のころはウミヘビ、イルカ、ウミガメなどを食べたりしましたがショックというか、まずいというか臭いと思いました。あとは強烈だったのはヤギ。

平賀:僕はヤギはダメだった。

細坪:僕の出身地は北海道でジンギスカンが郷土料理。子どものころから羊の肉を食べているから、「ヤギも食えるよ」と沖縄の友達に言っていました。食べに行こうということになり刺身とヤギ汁をいただきましたが、すごかった! 口の中にヤギの味や匂いが残っているのがショックで、ホテルに戻って一生懸命歯を磨きました。それで寝たんだけど口の中はずっとヤギで、ヤギが一匹…ヤギが二匹…と何度数えても寝られなかった(笑)。沖縄の食はそんな思い出です。

平賀和人さん
平賀和人さん

―最近はヤギ料理が増えて、匂いなくおいしくいただけるなど進化していると思います。栄養もあります。

平賀:トライしてもいいかもしれない。耳も目も鼻もだんだん遠くなっているので、ちょうどいいかも(笑)。

細坪:僕ももう一度、ヤギ料理に挑戦します!

年齢を笑い飛ばし、元気になるライブ

―お二人の面白いトークはライブの魅力のひとつですね。話す内容は事前に考えているのですか?

平賀:何となくまとまるんですよね。70年代のアーティストは、歌以外のところも大事にしていますから。

細坪:今回のゲストのみなさん、みんなおしゃべりが上手ですよ。

平賀:話が長いので、途中でさえぎらないと多分終わりません(笑)。

細坪:五十嵐浩晃さんのあいさつは「サンキュー、ヨンキュー、そろばん五級」。面白くないけどお約束になっています(笑)。

平賀:それはすごい、しょうがないけど大したもんだ(笑)。五十嵐さんは繊細な声ですてきな曲が多い。彼のデビューアルバムは自分でお金を出して買いました。洋楽のアルバムはよく買っていましたが、邦楽を買うのは自分にとって珍しいことでしたよ。

細坪:大瀧詠一さんの名曲ぞろいのアルバム「A LONG VACATION」は自腹で買ったくらい大好きな作品ですが、五十嵐浩晃はレコーディングに参加している。見かけよりすごい人なんですよね(笑)。今回のライブは、五十嵐さんはじめ歌とMCのギャップを楽しんでいただけると思います。五十嵐さんは日本のポップス界でかなり有名な方ですし、NSPは東北では本当に有名です。微妙な哀愁というか叙情派のフォークグループ。

平賀:沖縄でのフォークソングの人気は本当にすごいですね。僕らはデビュー当時から意外なほど受け入れていただいていて、みなさん一生懸命聞いてくれてありがたいです。

細坪:エフエム沖縄さんの「For PM」は、世間がフォークソングから離れていってもず~っと変わらずに放送を続けてくれた番組。沖縄だからこその番組なのかもしれません。フォークを流すラジオ番組は最近少しずつ増えてきましたが、懐メロっぽい感覚でフォークを聞きましょうという感じなんです。「For PM」だけはリアルタイムに曲を流し続けてくれています。

―ライブ開催が近付いてきました。最後にメッセージをお願いします。

細坪:今回は還暦過ぎ~古希過ぎのメンバーが集まるライブです。5年後や10年後はありえないメンバーかもしれません。今回を逃すと次はないかもという気持ちで、みなさん元気のある内に来てください。外出が面倒になりソファから立ち上がるのがしんどく感じる時もあるでしょうが、元気と勇気を振り絞って会場に来ていただきたいです。同年代の方と一緒に楽しみ、「まだまだ俺も…私もまだまだ頑張れそう」という気持ちになり、元気を持ち帰っていただけたらうれしいです。年齢を笑い飛ばしましょう! ぜひお越しください。

平賀:ステージ上で楽しみながらパフォーマンスしている僕らを見ていただいて、「この人たちがここまでやるんだったら、もう少し頑張ってみようかな~」とか「少しの楽しみを見つけて生きてみようかな~」とか、そんな気持ちを感じてもらえたら本当にうれしく思います。ぜひ来てください。

プロフィール

◆細坪基佳(ほそつぼ・もとよし)ボーカル・ギター

北海道出身、1952年10月26日生まれ。

1974年、大学のフォークソング研究会で出会った山木康世と結成したフォークデュオ「ふきのとう」でメジャーデビュー。79年にはソロデビューも果たし、ふきのとうの活動と並行する。92年「ふきのとう」解散後は本格的にソロ活動をスタートし、アルバムリリースやコンサート開催など精力的な活動を続ける。2000年に鈴木康博・山本潤子と「Song For Memories」を、11年にはNSPの平賀和人・中村貴之と「スリーハンサムズ」を結成し、注目を集めた。

公式サイト:https://www.hosotsubo.com

◆平賀和人(ひらが・かずと)ボーカル・ベース

岩手県出身、1954年1月6日生まれ。

1972年、高等専門学校の同級生3人でフォークグループ「NSP(エヌエスピー)」を結成。卒業後に上京し、シングル曲やアルバムが大ヒット。叙情派フォークの人気グループとして活躍するが、87年に活動休止。レコード会社のディレクターとして多数アーティストの作品を手掛ける。2002年のNSP再結成で脚光を浴びる中メンバーの天野滋さんが05年に、中村貴之さんが21年に死去。1人でNSPの楽曲を歌い継ぎながら、22年には親子ほど年の離れたシンガーソングライターゆりえと「YSP(ゆりえすぴー)」の活動をスタートさせた。

公式サイト:https://tokidokihiraga.net

インフォメーション

【 FRIENDSHIP LIVE 】

細坪基佳(元ふきのとう)・平賀和人(NSP) 50周年記念 沖縄スペシャル

日時:2023年9月30日(土) 16時開場/17時開演

会場:沖縄コンベンションセンター 劇場棟(宜野湾市真志喜)

出演:細坪基佳(元ふきのとう)/平賀和人(NSP)

   <ゲスト>杉田二郎/三浦和人/五十嵐浩晃/YSP (ゆりえすぴー)
   アルベルト城間、トム仲宗根(ディアマンテス)

料金:S席1階6500円/A席2・3階6000円/学生券(高校生以下)4000円

※未就学児童は保護者1名につき一人まで膝上無料。(お席が必要な場合は要チケット)

※学生券の方は、公演当日、年齢が確認できる身分証明書・学生証をご提示ください

問い合わせ:ピーエムエージェンシー TEL.098-898-1331(平日:月~金 11時~15時)

https://www.pmnet.co.jp/

2011年に結成した(左から)平賀和人さん・細坪基佳さん・中村貴之さんによる「スリーハンサムズ」
2011年に結成した(左から)平賀和人さん・細坪基佳さん・中村貴之さんによる「スリーハンサムズ」
饒波貴子 のは・たかこ

那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。