シンガー・ソングライターの宮沢和史が、音楽生活35周年を記念したアルバム「~35~(サンゴ―)」(よしもとミュージック)を4月24日に発売した。プリンセスプリンセスの岸谷香や、レミオロメンの藤巻亮太、琉球古典音楽奏者の親川遥など、さまざまなアーティストとのコラボレーションによる7曲を収録した。アルバムに込めた思いや、これまでの音楽生活について、宮沢に聞いた。 (聞き手・田吹遥子)
―35周年の節目のアルバムでアーティストとのコラボ曲を収録した経緯は。
「アルバムの全体のコンセプトが先にあったのではなくて、それぞれ1曲ずつ物語を作って短編集みたいなイメージになった」
「『遠影』は僕の古里である山梨の後輩、レミオロメンの藤巻亮太君と、古里の歌を一緒に作ろうと共作した」
―仕上がりは。
「1人で作ると、もう少し自分の年齢やキャリアがにじみ出てくるけど、若い人たちとコラボできて、集大成というより、躍動感ある新作になった」
―35年、音楽を続けてきて、今の思いは。
「沖縄をきっかけに、自分が知らない音楽を知る旅をしようと思って、アジアやジャマイカ、南米と旅をしながら音楽を作る自分の方法論を見つけた。Jポップから逸脱していると、離れるファンもいた。でもみじんも後悔がない。僕しか見たことがないものはいっぱいある」
「首のヘルニアでバンドを続けられなくなって2014年に解散、16年にはソロ活動も無理になった。もう音楽はやめようと思って、マイクも置いて、ギターもしまった」
―復帰したきっかけは。
「MISIA(ミーシャ)の事務所の社長が東北で東日本大震災のチャリティーをやるから歌いに来てくれと。練習して歌いに行ったけど声が出なくて。帰ろうと思ったら拍手をすごくもらって、申し訳ない気持ちと、素晴らしい世界にいたんだなと思った。そこから少しずつ歌い始めて、19年ぐらいから復帰した」
―今後の抱負は。
「若い人たちを後ろから応援するような活動も、僕の音楽活動の一つ。沖縄の民謡が好きなので、民謡の若い子たちが本気の勝負ができるようなステージを作りたい。沖縄の若い人に身近に宝物があると声を強くして伝えていきたい」
アルバムは、インタビュー映像などのDVDとセットが5千円。CDのみは2750円。