俳優の洞口依子さんが2~4日、那覇市の桜坂劇場でデビュー40周年を記念した映画祭を開く。開催を前に10月30日、那覇市の琉球新報社を訪れた。がん闘病中に沖縄を訪れていた洞口さんは「沖縄の人に直接感謝を伝えたい」と語った。
洞口さんは1985年に19歳で映画デビュー。伊丹十三監督の「タンポポ」や「マルサの女2」、92年には沖縄が舞台の映画「パイナップル・ツアーズ」(監督・真喜屋力、中江裕司、當間早志)などに出演した。
2004年に子宮頸(けい)がんを発病。闘病中は沖縄に滞在した。「沖縄の自然と歴史と文化に触れ、学びもあり体の静養にもなった。心も丈夫になった」。復帰作は沖縄が舞台の「探偵事務所5 マクガフィン劇場版」(當間監督)。後遺症など不調に悩まされながらも、米配信ドラマ「SHOGUN 将軍」に出演。作品は米エミー賞に輝いた。
この40年を「半分は闘病だった」と振り返る。「病気だからと遠慮されることがさみしかった。でも就労をあきらめないことが私のモットー」と語る。「自分で自分を超えたい」と、今回映画祭の企画や運営をほぼ1人で手がけた。洞口さんのデビュー作や沖縄が舞台の作品など9作品を上映する。「ぜひ会いに来て」と呼びかけた。映画祭の詳細は桜坂劇場のホームページに掲載している。
(田吹遥子)