夢に向けテイクオフ 中学3年生、パイロット目指しハワイへ 1年かけて訓練


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訓練を受けるため渡米することを報告した安里駿佑さん(左から2人目)と野国昌春町長(同3人目)ら=9月19日、北谷町役場

 【北谷】沖縄県北谷町立桑江中学校3年の安里駿佑さん(14)は、夢であるパイロットになるための一歩を踏み出そうとしている。6日から米国ハワイ州に旅立ち、約1年かけて県内とハワイを行き来しながらグライダーの免許を取得するための訓練などを受ける。目指すは17歳で取得できるセスナ機の操縦免許だ。9月19日、北谷町役場に野国昌春町長を訪ね、抱負を語った。

 米軍嘉手納基地を離着陸する米軍機が上空を飛び交う北谷町宮城に住む安里さん。幼少期から飛行機好きの父猛さん(44)に連れられて飛行機を眺めるうちに、飛行機のとりこになった。物心ついた頃から写真を撮り始め、今では音を聞いただけで機種が分かる。

 一時期、不登校気味になっていた安里さんの足を学校に向かわせたのも飛行機のおかげだ。中学2年生の頃、航空ショーを見るために一人で米国へ渡り、約2カ月滞在した。異文化の生活の中で英語に興味が湧き、帰国後は「学校での勉強が楽しくなった」という。校内のスピーチコンテストに出場し、11月には英国留学に派遣される。

 飛行機について学ぶ場は嘉手納基地の滑走路を見渡せる「道の駅かでな」だ。「飛行機愛好家の人たちと交流しながら、さらに知識が深まった」と話す。

 安里さんが目指しているのは貨物などを輸送するプロペラ機のパイロット。「海外で働くためにもっと英語も身に付けたい」と意気込んだ。

 報告を受けた野国町長は「グローバルな社会に対応できる人材育成に取り組んでいる。今後の精進に期待したい」と背中を押した。