9月30日から10月1日にかけ石垣市と竹富町で通信障害が発生した問題を巡り、竹富町と与那国町を結ぶ通信回線が9月28日に断線した原因について、宮城力県企画部長は3日の県議会9月定例会一般質問で「与那国町の県道の除草作業中に誤って切断したと思われる」と説明した。渡久地修氏(共産)への答弁。県道路管理課によると、与那国町を通じて業者に委託した除草作業が9月28日にあったことが確認できており、「除草作業で切断したことはほぼ間違いない」という。
通信回線を所管する県総合情報政策課と県道を管理する道路管理課の話を総合すると、9月28日に与那国町の陸上部で通信回線が断線したという情報は、同30日までに県に伝わった。その後、NTT西日本沖縄支店から断線箇所で何らかの作業が行われているとの情報が県に入り、2日に八重山土木事務所を通じて与那国町に確認したところ、県が委託した除草作業で切断された可能性が高いことが分かったという。
通信回線は主に地中や電柱上に整備されているが、経路の都合上、一部地面に表出している部分があり、今回断線したのは路上の箇所だった。人力などでは簡単に切れない強度があるが、除草作業は「バックホー」という油圧シャベル付きの工事用重機で実施していたため、切断できる出力があった。
NTT西日本沖縄支店は29日、与那国町の通信回線を復旧する作業をする予定だったが航空便の確保ができず、30日は台風18号で便が欠航となり、作業ができなかった。10月1日に海上保安庁のヘリで与那国入りし、2日までに復旧作業を完了させた。
宮城部長は答弁で「県としては今後、同様の事態が生じないよう、NTT西日本沖縄支店や道路管理者等の関係機関と連携し、原因の究明および対策をいま協議している」と再発防止策の検討状況を説明した。