延長十回でサヨナラ勝ち 沖尚勝利の転機は? 県高校野球秋季大会決勝


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
八重山農林―沖縄尚学 延長10回2死二塁、左方向へサヨナラ打を放つ沖尚の與谷友希=5日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 「このままじゃ勝てない」。沖縄尚学は序盤から着実に加点し、八重山農林に5点差をつけて九回を迎えたが、2死から四球や失策が絡んで一挙5点を奪われ、7―7の同点に追い付かれた。相手の猛追に平静さを失い、何とかペースを取り戻そうと九回だけで3投手が継投した。

 悪い雰囲気に與谷友希主将は「まだ負けていない。逆転しよう」とベンチに戻る仲間を鼓舞し、時には「集中しろ」とナインを一喝した。主将の願いは延長十回に形となった。2死から3番・島袋皓平が左翼フェンス際への二塁打を放つ。「やってやる」と試合を決める意気込みで打席に入った與谷は直球をとらえ、サヨナラ二塁打で優勝にチームを導いた。

 比嘉公也監督は九州大会へと戦い方を見据える。常々口にするのは「守備は100%を」だが、決勝では4失策、10四死球と乱れた。小さなミスも加えると「数十個はあったんじゃないか」とクリアすべき課題が多くあったようだ。

 技術面に加え、劣勢に立たされた時の気持ちの切り替えなど「精神的な部分」の不安も残った。だからこそ決勝戦で競り勝った体験を「九州につなげる。選手も良い経験になった」と糧にする考え。沖尚の名を再び全国に刻むため、まずは選抜切符を取りに行く。

(上江洲真梨子)


 高校野球の第69回県秋季大会は5日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで決勝を行い、沖縄尚学が8―7で八重山農林に勝利し、2年ぶり8度目の優勝を飾った。