沖縄とロシアの関係は? 政府要人、州知事が相次いで〝ラブコール〟


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ロシア・ロストフ州知事が玉城デニー知事宛てに送った親書

 沖縄との経済交流を深めたいと、ロシアの政府要人や州知事が沖縄に“ラブコール”を送っている。今月、ユーラシア経済同盟の大臣に就任したセルゲイ・グラジエフ氏はロシアのサンクトペテルブルクで6月に玉城デニー知事と会談したことについて、9月下旬の琉球新報のインタビューに対し「非常に好印象を持った」と述べ、経済や人的交流を促進したい意向を示した。また同国南部のロストフ州は玉城知事に親書を送った。同州のアレクシー・イゾトフ副知事は取材に対し「姉妹県州を視野に交流したい」と強調、交流に強い意欲を見せた。

 ロストフ州は州知事名で玉城知事に対し「日本と相互に有益な関係を築き、発展させることに大きな関心を持っている。そのためにはまず、深く豊かな歴史と独特の文化を持つ沖縄から始めたい」などとするメッセージを送っている。その中で玉城知事をロストフ州への視察に招待したい意向も示した。

 イゾトフ副知事は沖縄の観光、特に医療ツーリズムに強い関心を示した。

 一方、富川盛武副知事は9月3日から7日にかけてロシアを訪れ、極東ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムに出席し、現地地方政府の副知事や商工会議所の理事長らと意見交換した。富川副知事は「ロシアの関係者は日本と沖縄に魅力を感じている」と好感触を強調した。その上で「まだお互い情報が少ないので、今後、情報交換を密にし、まずはウラジオストクなど極東沿岸の地域とMOU(協力の覚書)を結びたい。将来性のある地域なのでじっくり仕込めば経済交流を展開できる」と述べた。

 現地での意見交換では、直行便の開設も話題に上ったという。富川副知事は「ウラジオストクは直行すれば3時間余で近い。経済交流が進んでペイするような状態になれば歓迎したい」と述べた。

 玉城知事は6月、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに出席したほか現地の要人や企業と観光客や地域間交流について意見交換した。フォーラムの会場内ではグラジエフ氏と約30分間会談し、沖縄観光の魅力やロシアとの間で空手交流が拡大していることなどを説明、沖縄とのさらなる交流の拡大に協力を求めた。