利用者の〝寄り道〟に期待 沿線から熱視線 ゆいレール延長1週間


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浦添延長区間を走るモノレール

 沖縄都市モノレール(ゆいレール、那覇市、美里義雅社長)の浦添延長区間の開業から1週間がたち、ゆいレールの1日平均乗車数は前年同時期を4千人余り上回るなど好調な滑り出しを見せている。駅周辺の店舗や沿線住民からは「街の活性化につながってほしい」「新しい客が増えたらいい」など、地域の発展に向けて利用者増加に期待する声が上がる。

 那覇市首里の石嶺駅前でサーターアンダギーを販売する、安室養鶏場石嶺店の安室由起子さん(79)は「工事が始まったころからいつも様子を見ていた。完成してモノレールが通るのはうれしいけど、時々サーターアンダギーを買いに来てくれた作業員の人たちがいなくなって少し寂しい」と感慨深げに語り、「また新しいお客さんが増えたらいいね」と笑った。

 浦添市の経塚駅近くではモノレール開通の5年前、「カフェステーション」が開店。従業員の洲鎌あゆ美さん(33)=浦添市=は「オーナーが、近くに駅ができることを見越してステーション(駅)という店名にした。ロゴもモノレールとコーヒーカップをイメージした」と由来を説明。「駅を使う人たちはぜひ寄ってほしい」とPRした。

浦添市の経塚駅近くにある「カフェステーション」。ロゴはゆいレールとコーヒーカップをイメージ=1日、浦添市経塚

 てだこ浦西駅を見下ろす坂の途中にあるイタリア料理店「ヨナラボラトリー」の経営者・稲吉啓さん(42)=浦添市=は「駅付近はまだ空き地ばかりだが、商業施設ができると聞いており、街が活性化してくれたらいい」と思いを語った。「お客さんの増加も期待している。近くに寄った際はぜひ利用してほしい」と来店を呼び掛けた。

 沖縄都市モノレールも利用者増加への取り組みを進めている。今月20日には浦添延長を記念し、全線で終日運賃を無料とする「お客様感謝デー」を実施する。これまで那覇市内の70歳以上限定で土、日、祝日に販売してきた「がんじゅう1日乗車券」の対象者を10月から浦添市民まで拡充。300円で、購入当日に限り何度でも乗車ができる。

 このほか例年利用者数が最も多い12~14日の那覇大綱挽まつりや、26、27日の沖縄の産業まつりなどには便を増やした臨時ダイヤで運行し、輸送人員の増強と混雑の解消を図る。
 (外間愛也)