3年で300人定年退職へ 路線バスの運転手不足深刻 沖縄 地域の公共交通に影響


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通勤、通学などで多くの県民が利用する路線バス=2019年6月、那覇市泉崎の那覇バスターミナル

 沖縄県内路線バス大手4社の運転手の定年退職者が2017~19年の3年間で約300人に上る見込みであることが9日、分かった。県議会の公共交通ネットワーク特別委員会(玉城満委員長)で同日、17年に県交通政策課が各社にヒアリング調査した結果を明らかにした。同課の宮城優課長は「各市町村がコミュニティーバスの導入を検討する際、路線バス会社に委託を断られる事例も聞いている」と述べ、地域の公共交通にも影響が及んでいるとの認識を示した。

 県交通政策課によると、4社は毎年計約65人を採用しているが、転職・退職者数が採用人数を上回るという。深刻な人手不足の事態を受けて県は、運転手確保に向けて社内研修期間の賃金支援などに充てる9月補正予算を組んでいる。

 委員会ではバスの路線充実への取り組みについて質問が上がった。車の運転ができない高齢者や障がい者、子どもなどの交通弱者の生活に見合った交通環境を整備することについて、宮城課長は「路線の再編などいろいろな課題はあるが、まずは予算を計上し、数年かけて運転手の確保に取り組みたい」と話した。

 琉球バス交通は、本紙の取材に対し「運転手の人手不足により、10月7日から23番(具志川線)など7系統を減便している」と回答した。