「女子の制服にズボンも」 生徒会の陳情で制服選択制、年明け導入へ 校長「陳情のシステム学ぶ良い機会に」


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 沖縄県糸満市立西崎中学校(神里一吉校長)で、生徒の声をきっかけに、生徒会長の照屋規翔(のりと)さん(3年)が学校とPTAに対して提出した「女子生徒の制服のスカートとズボンの自由選択制」など、制服に関する校則の変更を求める陳情が認められた。10日、同校で又吉琢巳PTA会長から照屋さんへ陳情の回答が手交された。同校は年明けの導入を目指して、制服業者と調整を進める。

陳情を提出した生徒会長の照屋規翔さん(前列左から2人目)と、回答したPTAの又吉琢巳会長(同3人目)、神里一吉校長(右端)=10日、糸満市立西崎中学校

 要望があったのは「女子生徒の制服のスカートとズボンの自由選択制」「ズボンを着用した際のリボン未着用」の二つ。

 きっかけは、神里校長が生徒会メンバーと学校運営について話し合う懇談会で、高校で取り組みが広がる「選択制服制」について話題になったことだった。

 提案を受け、同校は5月29日に学級調査を実施。6月14日の生徒会総会で校則の変更を求める決議がなされ、9月27日に照屋さんが陳情書を提出した。

 日頃から生徒の主体的な学校運営を促し、意見を書面で提出することを呼び掛けてきた神里校長は「社会のさまざまな場で用いられる陳情のシステムについても学んでもらう良い機会になると思った」と話す。

 制服の選択制について「高校で広まる選択制を中学から取り入れることで取り組みが接続される」とした上で、「LGBTなど性的少数者の生徒などの生きづらさを解消し、学校生活を楽しんでもらいたい」との思いがあったと話す。

 照屋さんは校則が変わることでLGBTの生徒にも学校を楽しんでほしいと願っており、「文書を作るのは難しかったが将来に向け、貴重でいい経験になった」と笑顔。「西崎中をきっかけに、他の学校でも活動が広まっていってほしい」と目を輝かせた。

 又吉会長は「子どもたちと真剣に向き合えるPTA活動のためにも(陳情での要望を)今後も続けてほしい」と話した。