沖縄にミサイル 計画把握 米外交専門家 巡航、核搭載可能型に


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ジョン・フェッファー氏

 米ワシントンDCを拠点とするシンクタンク「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクターで米国の外交政策に詳しいジョン・フェッファー氏は11日までに、米国が中距離ミサイルを沖縄など日本に配備する計画を把握していると明らかにした。本紙の取材に答えた。フェッファー氏は、配備の可能性は「残念ながら非常に高い」と強調した。日本への配備計画は中距離ミサイルの製造などを禁じた中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に失効する前の「初夏から議論されていた」とも明かした。

 日本配備の可能性が高い理由については、米国の同盟国であるオーストラリアが配備拒否を表明したほか、韓国やフィリピンも拒否する可能性が高いことを指摘。残る日本が拒否したとしても、トランプ米大統領が圧力を強めるとの見方を示した。日本に配備される可能性が高い中距離ミサイルは「トマホークのような巡航ミサイル」と示した。

 中距離ミサイルについて米国は核弾頭は付けないと説明するだろうが、核弾頭を搭載できるタイプだとも述べた。日本に配備される場合の配備場所は日米政府間の交渉で決まるだろうとの見通しを示した。

 一方で、日本が配備に反対した場合、より容易な配備場所としてグアムやパラオを挙げ、そこへの配備で決着する可能性も指摘した。ただ、中国やロシアから遠いため、米国防総省が望む場所ではないとも付け加えた。

 配備計画の狙いについては、中国の近代化した戦闘能力に対抗するためだと指摘した。また、トランプ大統領は「不必要な軍隊をミサイルに置き換え、海外に駐留する米兵を本国に帰還させてコストを削減する一方、同盟国の負担をより多くすることで国民向けにアピールできる」と、トランプ氏にとっての利点を説明した。

 フェッファー氏は東アジアに対する米国の外交政策に詳しく、著書は「アメリカの対北朝鮮・韓国政策 脅威論をあおる外交政策」など多数。 (新垣毅)