渋滞を軽減する運転の仕方とは… 大学准教授が解説 日本は渋滞で年12兆円の経済損失


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 道路などの渋滞に学問で向き合う「渋滞学」が専門の友枝明保武蔵野大学准教授が4日、「渋滞学~渋滞の仕組みと防ぎ方」をテーマにした講演を浦添市産業振興センター結の街で開いた。車間距離を保って一定速度で走行して、渋滞を軽減する運転技術などを説明した。

渋滞の仕組みや対策について解説する武蔵野大学の友枝明保准教授=4日、浦添市勢理客の市産業振興センター結の街

 日本では渋滞が原因で年間12兆円の経済損失がある。自然渋滞について、友枝准教授は「車間距離をうまく取れば、渋滞に巻き込まれないギリギリで走れる」と話した。高速道路の場合、40メートルの車間距離を確保し、一定速度で走行する。車間距離が狭いとブレーキの連鎖が後方に波及するが、車間距離に余裕があれば「渋滞を吸収できる。距離を詰めないことが渋滞から早く抜けることにもつながる」と語った。

 バスが短い距離で連なって運行する「だんご運転」については、区間内に入るバスの台数を制限する「閉塞(へいそく)区間」の導入を提案。「駆け込み乗車など、無理な乗り降りは避けるべきだ」と語った。

 講演後の取材で、友枝准教授は通勤目的の自動車利用のうち約9割が1人乗りである現状を挙げ、「乗り合いタクシーのように定員まで乗せて動けば、車両の数が減らせるかもしれない」と指摘した。「すぐに渋滞はなくならないが、解消するヒントにしてほしい」と語った。