フェイクニュースを検証 新報・タイムスの取材記者が明かした報道の裏話は?


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トークイベントで両紙の取り組みについて紹介する琉球新報社の池田哲平記者(左から3人目)、安富智希記者(同4人目)、沖縄タイムスの與那覇里子記者(左端)、石川亮太記者(左から2人目)と、進行役を務めた宮城一春さん=14日午後、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 トークイベント「フェイクニュースの仕組みを考える」が14日、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開催された。沖縄出版協会設立記念イベントの一環で、9月に高文研が出版した「琉球新報が挑んだファクトチェック・フェイク監視」(琉球新報社編集局)と「SNSから見える沖縄幻想のメディア」(沖縄タイムス社編集局)の発刊を記念して開催した。約60人が詰め掛け、2紙がフェイクニュースの検証報道に取り組んだ理由など、担当記者による報道の裏話に耳を傾けた。

 選挙期間中のファクトチェックに取り組んだ琉球新報の池田哲平記者は「間違った情報が広まっているなら、しっかりした取材で間違いを正さなければいけない」と説明。安富智希記者は「技術の進歩が早く、フェイク画像や動画も精巧さを増している。今後どう向き合い、指摘していけるかだ」と課題を示した。

 沖縄タイムスの與那覇里子記者は「届いてほしい人に届かない。フェイクは拡散が早く検証の記事が広がらなかった。もどかしさも感じた」と語った。石川亮太記者はフェイクニュースが広まる背景について「既存メディアへの批判が高まる中、身近な人の情報の方がより信じられる、という思い込みが浸透した社会状況も反映しているのではないか」と指摘した。

 沖縄出版協会のメンバーで編集者・ライターの宮城一春さんが進行役を務めた。