土のう袋が足りてません 台風19号被害の福島で沖縄県出身者が呼び掛け 浸水、土砂…「東日本大震災を思い出す」


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台風19号で出たごみや土砂が置かれた河川敷=20日、福島県いわき市(金城輔さん撮影)

 台風19号で8人が犠牲となるなど大きな被害が出た福島県いわき市に住む名護市出身者・金城輔(たすく)さん(38)が、流れてきた土砂を回収するために使う土のう袋の寄付を呼び掛けている。庭先や家の土砂は乾くと感染症のリスクが高くなる一方、被災者への配布は十分に行き届いていないといい「被災地を回り希望者に配りたい」と話す。

 22歳まで名護市で過ごし、多くの台風を経験してきた金城さんによると、台風19号による風はさほど強くなかったが、雨はかなり激しかったという。ただ、自身が住むいわき市泉玉露周辺は「ほとんど被害がなく、テレビで映るほかの被災地の状況が信じられなかった」と語る。数日後、同市好間町の知人宅を訪れると「庭には大量の土砂、家も床上浸水。東日本大震災を思い出した」。

金城輔さん

 役場が土のう袋を配っているが、1回にもらえるのは30枚程度。知人宅の庭掃除で使用した土のう袋は500枚に上り「袋一つもらうのにも長蛇の列でストレスになる」。加えて浸水で車が使えず、役場までたどり着けない人も少なくないという。

 震災の時もボランティア活動を続け、今回も土のう袋の配布や清掃活動を行う金城さん。「沖縄の方にもぜひ協力してほしい」と呼び掛けている。

 土のう袋の送り先は〒971―8172、福島県いわき市泉玉露5の13の8、金城輔さん方。問い合わせは金城さん(電話)090(5088)7800。