米軍ヘリ種子島で不具合 発覚4日、詳細分からず 国と沖縄県、対応に消極的


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 鹿児島県の種子島空港で米軍普天間飛行場所属CH53E大型輸送ヘリコプターの不具合が見つかり離陸できなくなっていた問題を巡り、発覚から4日が経過したが不具合の内容は明らかになっていない。防衛省内で事案に対応する責任の所在があいまいになっているとみられる。一方、本紙の取材で普天間飛行場所属だと判明しているが、県は機体の所属が分からないとして、不具合の内容や原因について現時点で沖縄防衛局に問い合わせていない。

 CH53Eは事故を繰り返しており、その背景として老朽化が指摘されている機種だ。今回の不具合も機体の老朽化に関連しているかどうかが焦点だが、関係行政の消極的な対応で実態が埋没する恐れがある。米軍は25日現在、本紙に回答していない。

 今回の事案は機体の所属は沖縄県内のため沖縄防衛局の管轄だが、発生場所は鹿児島県のため九州防衛局の管轄だ。沖縄防衛局は本紙の取材に「九州防衛局に聞いてほしい」と述べた。九州防衛局は「米側にさまざまな照会をしているが(不具合の内容について)情報は得られていない」と答えたものの、米側への問い合わせの主体を九州防衛局に限定せず「防衛省として」と強調した。

 一方、県基地対策課は沖縄防衛局に機体の所属を問い合わせているが、25日午後6時まで正式な回答を得られていないと言う。米軍には直接照会していない。

 玉城デニー知事は25日の記者会見で「県から特に照会していない。県域を越えて、そういう風なことを求めるには情報を精査しなければいけない」と答えた。その上で「必要ないと考えているのではなく、現段階では状況を注視している。さらに関連した状況が起こるなら看過できないことだ」と強調した。

 本紙は23日、九州防衛局から「普天間飛行場所属」と回答を得た。24日には当該機が種子島を離陸し、普天間飛行場に戻った。