国内最大風速も耐える 台風に強い屋上点検口 沖縄の企業が発明協会会長賞 なか総合金物商会


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
「風抜け防風雨型屋上点検口」を開発したなか総合金物商会の國分司専務

 なか総合金物商会(西原町)は、アパートやマンションの通常共用部分の廊下やベランダの天井に設置されている屋上点検口のふたを、強風や台風に強い形に改良した「風抜け防風雨型屋上点検口」を開発し、第48回県発明くふう展で発明協会会長賞を受賞した。

 業者などが屋上に上る際に使う点検口には、転落防止のためのふたが取り付けられている。これらのふたは、下から風であおられることによる破損や、台風時に固定用の南京(なんきん)錠が壊れてふたが飛ばされることがあり、強度が課題だった。昨年10月に沖縄を襲った台風で、同社だけで6件の破損案件があったという。

 ふたに穴を空けることで風の抜け道をつくり、風の抵抗を少なくして強度を増した。穴から雨水の浸入を防ぐため開口部に屋根を取り付けて工夫した。独自の計算で、国内の最大瞬間風速である秒速91メートルが吹き付けた場合の風圧にも耐えることができるという。

 近年台風の上陸が増えている県外での展開も見据え、現在特許を出願している。同社の國分司専務は「県外で2~3割の受注を取れるようにしたい」と話した。