ことし創立95周年を迎える野村流音楽協会の創設者で、初代会長の伊差川世瑞氏の胸像移設が完了し、胸像の除幕式と祝賀交流会が27日、名護市の伊差川公民館前の公園で開かれた。琉球古典音楽野村流音楽協会が主催した。県内の芸能団体と移設に関わった関係者らが集い、琉球古典音楽発展の礎を築いた伊差川氏の功績に思いをはせた。
伊差川氏の胸像は、直弟子たちが1970年に旧伊差川公民館前に建立した。野村流音楽協会が8月から老朽化していた胸像の移設作業に取りかかり、修復後、新伊差川公民館の公園に設置した。
序幕式は、胸像への入魂式の後「ぢやんな節」が歌われた。式辞後の斉唱「かぎやで風」は、伊差川氏の教えを継ぎ、歌の道が幾代までも栄えることを願った歌詞を用いた。熊本から式に参加した伊差川氏の孫・伊差川初恵さん(75)は「もっと祖父のことを知りたいと感じた。こんなによくしていただき、ありがたい」と目頭を押さえた。
同会の長浜眞勇会長は「(琉球古典音楽の)流派会派の代表が集まり、輝かしい未来を予感する光景だ。音楽に関わる全ての人がここに集い、未来の音楽のビジョンを語り合えれば、それに勝る幸せはない」と力を込めた。