文化庁の表彰に「国のお墨付き意外…」 沖縄スパイ戦史の三上智恵監督 あいちトリエンナーレ補助金不交付に抗議も


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「沖縄スパイ戦史」の文化庁映画賞の文化記録映画部門優秀賞受賞で賞状を受ける監督の三上智恵さん(右から2人目)と大矢英代さん(右)=28日、東京都のグランドハイアット東京

 【東京】文化庁の2019年度映画賞の贈呈式が28日、東京都のグランドハイアット東京であった。文化記録映画部門の優秀賞に選ばれた「沖縄スパイ戦史」の三上智恵、大矢英代の両監督も宮田亮平文化庁長官から賞状を受けた。三上さんは受賞に感謝した上で、国際芸術祭あいちトリエンナーレへの文化庁補助金不交付決定に抗議の意を表し、撤回するよう再考を求めた。

 三上さんは、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド新設など国を批判する作品を制作してきたことから「国の文化庁からお墨付きをもらう日が来るのは意外。私自身は全く反日のつもりはなく、自分の古里を守るのに立ち上がらざるを得ない人の声に耳を傾けるのが私たちの仕事だ」と話した。

 現在、琉球新報海外通信員も務める大矢さんは「駆け足で撮影したのには今の時代に対する危機感があった。この歴史を私たちの世代がしっかり伝えることが、二度と同じ悲劇を繰り返さない一歩になると信じている」と決意表明した。