プロバスケットボールBリーグの設立4季目となる2019―20シーズンが10月、開幕した。2季連続で西地区優勝し、チャンピンシップ(CS)準決勝進出を果たした琉球ゴールデンキングスにとって、初のリーグ制覇を目指す新たな挑戦が始まった。現在、6勝3敗で西地区3位。日本代表級の主力選手が移籍し、12人中6人が入れ替わった中、上々の滑り出しと言えそうだ。高みへ向かう上での課題も見えてきた。
(長嶺真輝)
堅守健在
3季目の佐々宜央HC体制の代名詞と言えるのが、2季連続でリーグ最少失点を記録したタフな守備だ。現在平均失点は76・7で、勝負どころでの堅守は健在。三河や名古屋など攻撃型チームを70点台に抑えて勝利を挙げ、田代直希新主将は「集まった早々は不安があったが、大きく崩れない実感が湧いた。作季よりタレント性がないと言われても、戦える」(6日、三河戦)と手応えを語る。
一方、試合内で守備の強度が変わる不安定さは課題だ。橋本竜馬、古川孝敏、アイラ・ブラウンらベテランの日本代表級選手が抜け、佐々HCは「リーダーシップを発揮していた選手がいなくなり、今は精神的に弱いチーム。ぶれが出ないようにしたい」(20日、秋田戦)と危機感を隠さない。田代や守備の意識が向上した岸本隆一らにけん引役が求められそうだ。
パス離れが鍵
一方、堅守だけではリーグの頂点はつかめない。「攻撃は去年からずっと課題。チームでバスケをしてる感じがない。自分の指導力が問われる」(5日、三河戦)と佐々HC。現状を打破しようと、指揮官が開幕前、テーマに挙げていたのが「パス離れをよくする」ことだった。
新加入選手との連係不足もあり、開幕直後は1対1で無理に打開しようとする場面も目立ったが、数字に改善の兆しが見え始めている。1試合のアシスト数は20本前後で推移してきたが、直近の27日の三遠戦では29アシストを記録した。
右足のコンディション不良で欠場が続くジョシュ・スコットの復帰見通しが不明なことが、今後を占う上で最大の不安要素。現在検査中というが、ファンに朗報は届くのだろうか。