31日未明に発生した首里城の火災を受け、那覇市は同日午前、会見を開いた。城間幹子市長は「県民にとって象徴的な世界遺産であり、観光業界にとっても財産だ。琉球の歴史を物語るシンボルを失ったという落胆の思い」と述べた。早期の再建を希望した上で「県主導で国にあおぎながら進んでいくのではないか。市も最大限の協力をする」と述べた。市によると、屋内に自動で放水、消火する設備はなかったという。島袋弘樹消防局長は「消防設備が維持されていたのか確認し、どのように延焼拡大したのか検証する」とした。
一般の市民の負傷者はないが、応援の消防職員1人が脱水症状を起こしたという。市が開設した避難所には一時最大33人が避難したが、午前7時半までに帰宅した。
市によると、首里城正殿の軒下には「ドレンチャー」という外側からの延焼を防ぐ放水設備が付いているほか、外側から放水する「放水銃」もあった。正常に作動したか今後確認する。
市によると消防設備の点検は年2回、訓練は年1回以上行われ、訓練には市も立ち会っている。点検については3年に1回、市に報告義務がある。【琉球新報電子版】