警報で駆けつけるもすでに煙が充満 消火器で初期消火できず 出火1時間前の巡回「不審点なし」


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 1日午後に開かれた一般社団法人沖縄美ら島財団の記者会見で、火災発生までの状況が徐々に明らかになってきた。説明によると、31日午前2時34分に機械警備中に警報が鳴り、警備員が正殿北側シャッターを開けたが、すでに煙が充満。消火器で初期消火を試みたものの消火できなかったことが判明した。

 財団の説明によると、出火前日の30日午後8時40分ごろ、組踊上演300周年式典などの作業を開始。同9時に業者3人が火元とみられる正殿に入ったが、5分ほどで退出したとしている。その後、財団職員が作業のために正殿へ入ったが同9時35分に退出。正殿外で作業をしていた組踊実行委員会や業者ら66人も31日午前1時5分ごろ、職員立ち会いの下で敷地内から撤収した。

 警備員は31日午前1時20分ごろから正殿や城郭の巡回を開始したが、「不審な状況はなかった」としている。午前2時35分に警備員が煙を目撃し、奉神門で消火器を取って正殿に戻る間のわずか数分で、火の勢いは初期消火ができない状況になっていた。