キングス、西地区首位に 富山に85―64 首里城焼失で奮起 Bリーグ第11戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは3日、富山県の県西部体育センターで富山グラウジーズ(中地区)と今季第11戦を行い、85―64で6連勝を飾った。通算成績は8勝3敗となり、西地区首位に浮上した。キングスは課題だった立ち上がりの守備の強度が高く、序盤で主導権を握り、大差で逃げ切った。次節は9、10の両日、東京都のアリーナ立川立飛でアルバルク東京(東地区)と対戦する。

「県民元気づける番だ」 誇り持ち戦う

 “あれ”から3日。「先週、沖縄で起きた悲しみを背負いながら戦えた。ハードワークして、県民に少しでも力を与えたい」。首里城で正殿など主要な建造物を焼失した大規模な火災が起きてから、初めての試合となった2連戦を終えた。佐々宜央HCは試合後に口元を引き締め、力強い言葉を発した。

 今季のキングスは出足でつまずく試合も多かった。しかし、今節は初めから堅守と高いルーズボールへの執着心を発揮。最後まで集中力を保ち、2試合とも20点差以上で連勝を飾った。

 ホーム戦では毎試合会場が満員になり、大歓声が選手の背中を押す。「(首里城の)復興には時間がかかると思うけど、エナジーを持って戦うことが沖縄代表としてやるべきこと。選手もその気持ちでプレーしていた」と指揮官。そして続けた。「いつも力をもらっている分、今度は僕らが県民を元気づける番だ」

 首里城はチーム名の由来でもある「琉球王朝」を象徴し、ロゴは当時の文化の一部である龍頭をモチーフにする。

 11得点、6アシスト、3スチールと躍動した岸本隆一は「ユニホームの真ん中にあるエンブレムにプライドを持ち、戦っていきたい」と胸を熱くする。

 次節はアウェーでリーグ2連覇中のアルバルク東京と相まみえる。田代直希主将は「難しい試合になると思うけど、自分たちが崩れないことが大事」と強い気持ちで大一番に臨む覚悟だ。沖縄の球団としての誇りを胸に、王者へ挑む。


琉球 8勝3敗
85―64(24―12,22―16,19―13,20―23)
富山 4勝8敗

 【評】キングスは出だしから富山に激しいプレッシャーをかけ、前半は相手を28点のロースコアに抑えて18点差で折り返した。後半は攻撃でシュートの精度が落ちる時間帯もあったが、守備の集中力やルーズボールへの高い執着心は最後まで衰えず、アウェーの2連戦をいずれも大差で勝利した。

 佐々宜央HC(キングス)の話 アウェーでの連勝は難しいが、選手が出だしからエナジーを出してくれた。ただ、まだチーム全体で勝ち切れてない部分もあり、反省も多くあった。それでは次節のアルバルク東京とのアウェー戦は勝てない。エナジーを持ち続けて戦いたい。